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【楽天証券】正木信彦・アセットビジネス事業本部長、加集勇夫さんに聞く

 ここ2、3年で見聞きする機会がグッと増えた、「ロボアドバイザー」と「ラップサービス」。さらに、「ロボアドバイザーを使ったラップサービス」も複数登場しています。しかし、「どちらも今ひとつよくわからない」「利用するメリットは本当にあるのか」という人もいるのでは? 今回はロボアドを活用したラップサービス「楽ラップ」を提供している楽天証券の正木さんと加集さんに、ロボアドとラップサービスについて聞きました。

■Q1:ロボアドバイザーとラップサービスの関係は?
■A1:それぞれ別のサービスですが、組み合わせて提供しているケースもあり!

≪正木≫ロボアドバイザーとラップサービスはそれぞれ異なるサービスですが、混同して話されていることが多いですね。図にするとわかりやすいので、図で説明しましょう。

●ロボアドバイザーとラップサービスの関係図

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 まずロボアドバイザーとは、質問に対するユーザーの回答からその人に合った投資信託やポートフォリオを提案してくれるサービスの総称です。図の右側の丸の部分全体ですね(青+緑のところ)。

 一方、ラップサービスとは、投資一任契約に基づく投資サービスのことです。証券会社など運用側が投資家から委任を受けて、投資判断に基づいてポートフォリオの提案から、投資信託など実際の投資商品の購入、管理、リバランスまですべてを行なうサービスです。そして、ラップサービスのうち、「黄色の部分」は大手証券会社などが対面で行なうもので、真ん中の緑色の部分(青と黄色が重なったところ)がロボアドバイザーを利用したラップサービスとなっています。

 つまり、一口にロボアドバイザーといっても、実際の投資まで行なうロボアド+ラップサービスタプもあれば、商品やポートフォリオの提案だけを行ない、後は提案された商品をユーザーが自分で購入するというタイプもあるということです。そこが、ごちゃごちゃになっている方が多いのではないかという印象があります。

■Q2:ロボアドバイザーは、どうやって判断をしているの?
■A2:リスク許容度や投資期間などから適切な商品を提案します

≪加集≫ ロボアドバイザーの一般的な仕組みは、ユーザーが数問~10問前後の質問に答えると、「この質問にこう答えると1ポイント」といったように回答を集計して、その点数に基づいてリスク許容度などを測り、商品やポートフォリオの提案を行なうというものです。

 質問項目は各社のロボアドで異なりますが、投資経験や投資期間、余裕資金なのか生活資金かといった投資資金の性質に関することなどが用意されています。

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≪正木≫ ロボアドでは必ず年齢に関する質問もありますが、これは投資期間を聞くためのものです。一般的には、若い人ほど投資期間が長いのでたくさんリスクを取れると言えます。また、若い人の多くは働いていて定期収入があるので、損失が出てもリカバリーが利きます。その意味でも、リスク許容度は高くなると言えます。

 もちろん、年齢の高い方が一概にリスクを取れないということではありません。たとえば不動産収入がある人ならリスクを取れるかもしれません。ただし、個別の細かい事情まではロボアドでは聞けません。そこで、回答の後で提案されたポートフォリオを見て、自分の考えとは少し異なる…と思えば、そこは自分の考えに合わせて微調整すればよいでしょう。逆に、「自分の考えは特にない」「よくわからない」ということであれば、まずは提案されたポートフォリオに従って運用を始めるというのがロボアドの上手な利用法です。

≪加集≫ ところで、ロボアドに関しては、皆さんけっこう誤解されている点があります。「AI(人工知能)を使って
分析・提案している」と思っている方が少なくないのですが、現状ではどこもAIが答えを分析してポートフォリオを提案するということはしていません。基本は、先ほどお話したように、回答を点数化するような方法を使ってリスク許容度などを見極めて最適な資産配分の提案を行なっています。AIではなく、最新の金融テクノロジー(いわゆるフィンテック)を活用していると考えていただければよいでしょう。

■Q3:ロボアドを使ったラップサービスは何が違うの?
■A3:人を介さない分、安価で小口から始められるのが特徴です

≪正木≫ A1で説明したように、ラップサービス(投資一任サービス)は、「人」を介したもの(黄色の部分)とロボアドを使ったもの(緑色の部分)に分けられます。どんな違いがあるかというと、人を介したサービスの場合は、対面でコンサルティングを行ない、それに基づいたきめ細かなサービスを提供するのが特徴です。

 先ほどの例で言えば、年齢層は高めでも定期的に不動産収入があるという方なら、それを直接サービス提供側に伝えることが可能です。そのため、自分の状況に合ったポートフォリオを組んでもらい、購入から資産の管理、リバランスまでトータルでサービスを受けることができます。

 ただ、人を介したラップサービスは対面でやり取りして、その人ごとのポートフォリオを組むことなどから手数料は高めで、投資信託の信託報酬を含めると年間で資産の2~3%程度かかるのが一般的です。また、運用資金もかなりの額が必要で、最低でも300万円、サービスによっては3000万円以上というのが利用条件です。敷居は高めと言えるでしょう。

それに対して、ロボアドを使ったラップ・サービスの場合は、相対的に手数料が安く、小口から始められるのが特徴です。手数料は、各社とも信託報酬を含めて1%程度、また最低投資額も1万~10万円程度とかなり敷居が低くなっています。たとえば、楽天証券の「楽ラップ」では、信託報酬を含めた手数料が最大でも年間1%以下で、最低投資額10万円から始められます。

 ではなぜ、「安価・小口」でサービスを提供できるのかというと、コンサルティングの部分をロボアドバイザーが代替することに加えて、実際の運用や管理についてもプログラムを活用するなど、コストを抑えて効率的な運用を行なっているからです。

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