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【アセットマネジメントOne】「新興国中小型株ファンド」を解説

 ネット証券大手4社の「資産倍増プロジェクト」から誕生したファンドの1本である、アセットマネジメントOneの「新興国中小型株ファンド」。低ボラティリティ運用戦略とマルチファクターモデルという2つの運用戦略を組み合わせることで、リスクを抑えながら新興国中小型株の高い成長を取り込んでいこうというファンドだ。

 同ファンドについて、直近1年の運用状況や運用の仕組み、さらに今後の新興国中小型株市場の見通しを、菊地尚文・アセットマネジメントOne 運用本部株式運用グループ外国株式担当ファンドマネジャーに聞いた。

■世界的に株価堅調の中、1年で+10.08%のパフォーマンスを実現

 まずは、2017年6月~2018年5月末までの「新興国中小型株ファンド」の状況を、株式市場全体の値動きと共に振り返ってもらった。

「年が明けてからの2月上旬には米国の金利上昇懸念をきっかけに、株価が大きく落ち込む局面はありましたが、全体的には株式全体にとってよい1年だったと言えるでしょう。世界的に景気がよく、企業業績もよかった。また、政治的にも米国でトランプ政権が減税政策を打ち出して、それが想定以上に株価をけん引したと考えます」(菊地ファンドマネジャー、以下カギカッコ同)。

 また、「トランプ大統領の政策には評価されないものも多くありますが、それらの悪影響については思ったほどは出てはいないこともよかった点ですね」と指摘する。
「先進国では、5月のフランス、10月のドイツと選挙も不安材料でしたが、どちらも中道が勝ったためひと安心となりました。新興国に関しては、各国ともインフレが一時より落ち着いて、景気も非常に順調でした。特に、アジアは東南アジアを中心に個人所得も消費も伸びています。設備投資も比較的活発でした。どちらかというと問題視されていた南アフリカやロシア、ブラジルも、停滞から少し復調してきたというか、株価的にも大きく売られた分の反動があったと考えています」

 新興国の中小型株は、大型株とそれほど変わらないパフォーマンスを上げたという。原動力となったのは、テクノロジー関連に強い台湾や韓国などのアジアの国だ。「世界的にテクノロジー関連が注目され、米国ではナスダック指数が大きく上昇する中で、台湾や韓国の株価も上がるというケースは非常に多かったですね」。

 こうした相場環境のもとで、「新興国中小型株ファンド」は基本的には好調に推移し、直近1年では10.08%と2ケタのリターンを実現した。「10.08%は信託報酬を引いた後の数値なので、フィーを戻せば約12%となり、参考指標である『MSCIエマージング・マーケット・中小型株インデックス(円換算ベース・配当込み・為替ヘッジなし)』の同期間のリターン11.6%を上回る結果になりました」。

●基準価額の推移
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 なお、2018年5月末時点の新興国中小型株ファンドの純資産総額は15億9100万円、設定来の配当金(税引前、1万口あたり)の累計は6500円となっている。

■リスクを抑えて、高いリターンを狙うための2つの運用戦略

 ここからは、「新興国中小型株ファンド」の運用戦略について改めて見ていきたい。まず、なぜ大型株ではなく中小型株なのか。菊地ファンドマネジャーは、その理由を次のように語る。

「新興国の株式ファンドというと、各社とも大型株で構成された商品が中心です。しかし、実は中小型株のほうが比較的成長ステージが初期段階にあり、これから大きな成長が期待できる銘柄が多い。また、中小型株は世間からの注目度やアナリストのカバー率が低く、そのため株価が割安な水準に置かれたままになっているケースもあるためです」

 具体的には、ファンドに組み入れる銘柄は、新興国24カ国の中小型株式で構成される「MSCIエマージング・マーケット・中小型株インデックス」の中から絞り込んでいく。その際、活用するのが「低ボラティリティ運用戦略」と「マルチファクターモデル」と呼ばれる2つの戦略で、この戦略によってファンドの特徴である「リスクを抑えて、高いリターンを狙う」ことが可能になるという。

●ファンドの国・地域別構成比

 

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「『低ボラティリティ運用戦略』は、ボラティリティ(変動率)の小さい、言い換えるとリスクの低い銘柄を中心にポートフォリオを組むことで投資効率を上げ、結果的に高いリターンが得られるという比較的新しい運用の考え方です。これによって、一般的にリスクが高いと言われる新興国の中小型株でも、ある程度リスクを抑えた運用が可能になります」

 しかし、低ボラティリティ運用戦略には「弱点」もある。下落相場やリスクオフの局面には効果を発揮するが、上昇相場やリスクオンの局面ではリターンが物足りないケースがあるのだ。

「そこで、もう一つの戦略である『マルチファクターモデル』の出番となります。マルチファクターモデルは、企業のファンダメンタルズに着目した分析で割安かつ成長期待の高い銘柄を選定し、さらに魅力度の高い銘柄の組み入れ比率を高めるという戦略です。これら2つのエンジンが機能し、互いに補完し合うことで、下げ相場でも上昇相場でも参考指標を上回るリターンを狙うことが可能になるのです」

 実は、この2つの運用戦略については、2018年5月から一部改良を行なっているという。次項では、ファンド設定以来初となる運用戦略の「改良」とはどのようなものなのかを、菊地ファンドマネジャーが解説する。

 

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